海の楽しみ方、付き合い方について
  今週のゲストは、「NPOーYASU海の駅クラブ」代表の塩井政利さん、事務局長で夜須町公民館館長の安芸誠一さんです。今日のテーマは「海の楽しみ方、付き合いかたについて」です。
 昨日はYASU海の駅クラブ結成のいきさつについて伺いました。今日は海の楽しみかたについて「達人」のお2人に伺います。
 安芸さんに伺います。安芸さんは大阪で勤務されておられ、10年ほど前に夜須町に来られました。そして民宿ポケットハウス友遊を開業されました。夜須町の魅力をどういうところで感じられましたでしょうか?
安芸  そうですね。一番最初に感じましたのは海の色が本当に綺麗だなというところですね。実際わたしは大阪で長い間住んでいましたけれども、海は真っ黒けで泳ぐ気がしない。そのなかでもマリンスポーツをやっている人達が大勢いました。一方この夜須町での海をみますとコバルトブルーの海ですね。これだっら海へ浸かっても楽しめる。そういう感じでしたね。
夜須の海と空は最高です。
大手の浜の様子です。
塩井さんは漁業者の皆さんと交流が深いようです。「10日えびす」では夜須海岸近くのえびす様の近くで、今日とれの魚や貝を料理し、七輪で焼いたり、鍋をされているように伺いました。その魅力についてお話下さい。
塩井 以前はそういう漁師の皆さん達と一緒になって海岸で、今日獲ったばかりの魚、野菜、などを鍋に入れて、食べたり、飲んだり、騒いだりが多くありました。また奥さんが今日獲ってきた魚をすく鍋に入れてくれたりしていました。料理は素朴なものでしたが。
 コミュニティがありました。あたたかい交流がありましたね。素朴な交流がありましたが、だんだんとその交流が廃れてきたようですね。それが寂しいと思いました。その思いを取り戻したい。そういう風にいつも思っています。
そうですね。ヤ・シーパークが出来る前までは、夜須海岸近くに町営住宅があり、海も道路からすぐ近くにありましたからね。
塩井 以前は交流や「行き来」がずっとありました。相手が漁師さんや百姓さんなど関係なくありました。会えば「おはよう」とか「元気?」という挨拶をしていました。「一杯やるきに来いや」なんていう「空気」がありました。その「空気」がどんどん失われて行きました。子供間でも最近では近所づきあいがないようになりましたし。
安芸さんはカヌー教室を大阪の子供たちを対象に継続してされています。子供たちは成長しますが、交流は続いていますでしょうか?
安芸 わたしが高知へ来た時に、ポケットハウス友遊をやりだしました。そのなかで毎年「サマースクール友遊村」というのをやっています。大阪の子供たちを15名、4泊5日で私どもへ来て体験活動をしていただこう。と。そのなかにカヌーを入れています。お陰様で、続いています。小学4年から6年生の子供たちが対象です。今体験した子供たちで一番上が大学生になっています。
 その大学生のお兄さんが今度は今度はリーダーとして来てくれることになっています。ですからそういう意味での子供たちとの付き合いは今でも続いていますね。
サマースクールの様子です。シーカヌーで体験学習をしています。
塩井さんはYASU海の駅サロンの会で「広い意味での海の活用」を言われていました。
県外の人、高知市内の人、夜須町内の人にとっての活用のしかたは異なる場合もあると思いますが、楽しい活用法をスポーツや食以外にあげていただけますか?
塩井 まずは自分の町の人々のことです。夜須町に住みながら自分の町のことをよく知っていない。そのことが気になります。漁師さんがどんな魚を獲ってくる。この時期にはどんな魚が獲れるとか。あるいはマリンスポーツにしてもヨットやカヌーに乗れるといっても、それは単に好きな人がやっているだけという意識があります。
そのあたりを自分の町から変えねばならないというのが1つです。
 それから町外の人については、高知市内の人でも普段着のままで、買い物籠を下げた状態でヨットやカヌーに乗れるとか。帰りにこんな美味しいものもあるんだ。そういうものに繋がっていただいたら言い名と思います。
安芸さんに伺います。高知国体後、セーリング関係者と夜須町の付き合いはいかがでしょうか?なにか財産は残りましか?
安芸 そうですね。私事で申し訳ないですが、国体前のリハーサル国体の頃から、各県の選手たちがわたし達のところへ泊まっていただいて練習をしていました。その時に、選手たちの「アスリートのための食事」をつくらなあかんという気持ちがありました。そうした人達との交流ができたことは良かったです。岡山の選手たちが、今でもうちのご飯だ食べたいという話しを聞きますと、「わくわく。嬉しい」と思います。
 また今年に入って、アテネ五輪のオリンピック候補選手なども。ニュ-ジーランド人のコーチをつれて夜須沖で練習をしていただきました。
 そうですね、その3月にオリンピックへ出場予定の選手とコーチに海ですれ違いました。見慣れぬヨット(ヨーロッパ級)でした。後で、岡崎智子さん聞きますと五輪代表の佐藤麻衣選手とコーチだったそうです。びっくりしました。
 夜須中学ではヨットが盛んになっているようです。関係者としては喜ばしい限りですが、高校にはヨット部が高知県内にはありません。セーリングクラブで活動するところですが、高校教育関係者の理解が必要であると思いますが。
夜須中学校では現在ヨットが盛んです。
安芸 そうですね。このへんは「声を大にして」教育関係者に呼びかけていくべきでしょう。ヨットもクラブとして認めてもらうようにしなけばいけないでしょう。
 海の遊びは安全対策が大切です。そのあたりの体制は構築しないといけないですね。
安芸 安全がなにより大事です。かたく言いますと今言われている「自己責任」も部分もあります。それはやって行かねばならないことだと思います。これからはクラブとしては見通しの判断が必要でしょう。風だとか波だとか、気象について勉強も必要です。
 こういうときは「出ないほうがいいですよ」という認識をもつことも必要であると思います。