まちなかミュージアムで都市再生を
 今週のゲストは、新堀川の歴史と生態系に高い関心を持たれておられる下司孝之さんと西岡謙一さんです。歴史的な資源やビオトープとして価値のある新堀川です。
 今日のテーマは「まちなかミュージアムで都市再生を」でお話をお聞きします。
新たに箱物や、、見世物小屋をこしらえなくても、今ある歴史的な資源や生態系を大切にすれば「観光資源」になるように思われますがいかがでしょうか?

下司 すべてが観光資源ではないのですが、自然を大切にするということは、人間が生きやすく暮らしやすい指数になります。いくら水が綺麗だと言っても、魚が死んで浮いていれば何にもなりません。魚がそこにいるんだ。魚の生存に必要なアマ藻がはえて来ている。


 川の流れはあるわけです。かなりの急流なんです。そういうなかで自然が復活してきたというわけです。1971年の江ノ口川の凄い有様を考えたら嘘のような事が今起こっているのです。


 ここでもう一歩前へ進めないか。それは別に高知県庁にお金を出せと言っている訳ではありません。町人力でやることは町人力でやれるんです。これが観光資源になり、生活が確立できるのであればこれほど良いことはないのではないか。

下司(げし)孝之さん
はりまや橋商店街ー新堀川周辺ー堀川ー江ノ口川周辺は高知市のウォーターフロントです。いろんな「資源」があると思われるのですが・・広域に考えますとどうなんでしょうか?

西岡 そうですね。最初は小学校校区で言えば、新堀小学校校区。今の江ノ口全部と言うたら城東中学校校区(新堀小、江陽小、昭和小)になります。


 新堀川だけではなく、江ノ口川の1文橋あたりでもいろいろ動きがあります(劇団地球33番地など)し。小学生や中学生も感心を持って地域のことに取り組める下地が出来て急激に広がっているようです。

西岡謙一さん
最近どの地方都市の中心市街地も過疎化し、空洞化し衰退しています。十分に挽回できるビジネスチャンスが高知市にはあるように思われますか?
西岡 既にお金を使わなくても、いゆゆる箱物をつくらなくても今の現状でどういう風に活用していくのか。必ずやり方としましては歴史を振り替えしますと、どこかで使えるものはありますね。
 新堀川周辺はかなり恵まれていますから、そういうコンテンツや材料に恵まれているところで活性化をお金をかけずにやりましたら、他のところでやるよりやりやすくなりますね。
 探しましたらどの地域にも必ずあります。こじつけではなくてみんなが商店街の人達が理解してやれば、それが一番お金のかからない経済の活性化になると思いますね。
活き活き100歳体操もはりまや橋サロンで行われています。
新婚夫婦も商店街で絵になります。
 歴史的資源と自然生態系(ビオトープ)が地域の中にあることは、大きな財産であるということですね。
西岡 それと人のもてなし力というか、こういう歴史も頭に入れておいて余裕があったほうが、お客さんのほうから見たらそのほうが買いやすいですね。
 がつがつして何でも買ってくれというお店よりは、そういう余裕のある考えを持っているお店のほうが利用はしやすいのですね。「ゆとりともてなし」をもつことも大事だと思います。
先日はりまや橋商店街での「あそぼうさい」で周辺の防災施設のフィールドワークを新堀小学校のこどもたちがしていました。同じようにまちなかウォークラリーも必要であると思います。
はりまや橋商店街を出発点とゴールにしたフィールドワーク「あそぼうさい」防災探偵団。

西岡 そうですね。わたしもはじめてついて行きました。かなり大人が事前の準備をしていましたが、子供は楽しみながら、探偵団ですね。いろんなこと発見しながら行きますね。消防団の人が待ちよってくれていろいろ実演をやらしていただいたりしていました。


 結構面白かったですね。防災だけではなく、そういう形の試みも仕込みをして準備周到にしましたら、子ども達にもプラスになりますし、父兄の方にもプラスになります。後で発表は書いてやっていましたから。
 はりまや橋商店街では発表後2週間ぐらい紙に書いて置いています。それなりの波及効果はあると思いますね。

 先日の子ども高知新聞にもその様子が掲載されているのを見ました。子ども達も防災に関心が高まって盛り上がったそうですね。

高知新聞を撮影しました。

西岡 遊びの要素もあります。「あそぼうさい」ですから遊びながら防災意識を高めるというものですね。そのなかで学んでいったのですね。子どもたちも良かったのではないでしょうか。
最近は国なども都市再生事業を唱えています。なにか思いつくような事業があれば、いくつかあげていただきたいのですが。
西岡 国がというよりもいろいろタイミングがありますね。国がいろいろしているのも知っています。見ていましたら住民のほうが先行していまして、国も後追いをしているという事例もあるのではないでしょうか。
 国がやるのに合わせて間に合う場合であれば良いのですけど。こちらがやるのに国側の面子は立てながら応援していただく。それが一番良いと思いますが・・。

インターネットも含めた情報の発信もまた必要ではないでしょうか?
西岡 これは日常ですね。blogとかは。マスコミなどの下調べには活用されていあmすし。これは必要といいますか実践済みですね。
 はりまや橋商店街サロンでも、blogサロンやネットライブ中継などで情報発信はしています。
西岡 新堀川周辺のことでもそういう情報は出ています。既に日常化しているということです。
 まちなみミュージアムということは、コストをかけずに街全体が博物館、高知市全体が博物館になる構想ではないでしょうか。
高知市中心街は歴史と自然の博物館と言えますね。
 

下司 ですからこれまでの都市づくりのなかでは道路が優先されてきました。その他の環境保全の部分がひじょうに弱かったですね。
 そろそろ切り替わる時期ではないでしょうか。
 今度の道路計画、新堀川の上を暗渠にする計画。工事の主旨が「カニと共生する道づくり」となっていますが、それはちょっと難しいでしょう。光がささないなかで藻が生育しませのでカニが生存できるわけがありません。


 だから行政そのもののありかたが変わってくるのですね。県庁がそうした形で理解を示してくれると思っています。
 この新堀川の暗渠にして自動車道路をこしらえる工事は、中断ということにしていただきたいのです。

高知県都市整備部の道路計画。新堀川は暗渠になり埋め立てられます。
高知県都市整備部のホームページ  http://www.pref.kochi.jp/~ekijimusho/rosengaiyou.htm
12月番組に戻ります。