雇用・能力開発機構の役割とは?
 今週のゲストは、独立行政法人雇用・能力開発機構高知センター企画部門長代理の中村美枝さんです。
今日のテーマは「雇用・能力開発機構の役割とは?」でお話を伺います。
「雇用・能力開発機構」。一般にはなじみはないのではないでしょうか?大事な仕事をされているとは思いますが、どのような役割をされているのでしょうか?
案内パンフを見ますと、「能力開発」は、「職業能力の開発及び向上」とあり、「雇用開発」では、雇用の創出、機会の増大、質の向上とあります。今ひとつ役割がわかりにくいのですが。

 「能力開発」というと漠然とした感がありましてわかりにくいなという感じを受けられると思います。簡単にいうと「職業訓練の実施」とお考え下さい。単に、教育をするのではなく、将来の職業生活を想定した体系を示唆し、それに沿って受講していただくことを勧めています。
 料理人でしたら、始めは、洗い場だけ、次に切ることをまかされて・・・といった具合に段階的に身に付けなければならない技術がわかりやすいのでしょうが、実際には、殆どの職場が今与えられたことをやっていることが多いのではないでしょうか。


 求職者の方には、就職のための職業訓練(こちらは受講料無料です。)。在職者のかたには、雇用を維持し、自身のキャリアアップを図るための職業訓練ということで「能力開発セミナー」を実施しています。
 また、本年度から、フリータや卒業をしたけど就職していない方を対象として、企業実習を含んだ職業訓練(受講料無料)も始まりました。

 また「雇用開発」を具体的にあげると社員の教育や、男女別のトイレをつくるといった労働環境の向上、企業の活性化、人の雇用に関することです。その一環として企業への情報提供や相談の受け付け、雇用管理に関する研究会を実施しています。
 また、教育の実施や人を雇用した場合の助成金も取り扱っています。

勤労者が、「職業訓練」をしたり、「キャリアアップ」「転職」「再就職」をサポートするための「総合的な訓練組織」なのでしょうか?
 その通りです。私共の機構は、全国組織でして、能力開発施設については、全国に65箇所のポリテクセンターと25箇所のポリテクカレッジ、そして1箇所の総合大学校の能力開発施設を設置・運営しています。
 ポリテクセンターでは、主として求職者に対する転職、再就職のための離職者訓練と在職者に対するキャリアアップの為の能力開発セミナーを実施しております。ポリテクセンターと言いますとなじみがないかもしれません。以前桟橋にありました職業訓練学校と言うふうにお考えいただければわかりやすいと思います。
 ポリテクカレッジは、香美郡野市町にあります。高卒者に対する2年間の専門課程と更に2年の応用課程ならびに、能力開発セミナー(在職者訓練)を実施しております。 中村美枝さん
パンフを見ますと、勤労者だけでなく、雇用を支える側の経営者用のメニューもあるようなのですが、いくつかご紹介下さい。

 それでは、いくつか例をあげて紹介します。木曜の夜には、これから創業・異業種に進出しようとする方を対象にした、無料の衛星放送セミナー「アントレプレナーDo it」を放送しています。


 今年は、「企業の教育力を高めるためには」、「ビジネスでのコミュニケーション力アップ」といったテーマで雇用管理研究会を実施しました。


 他の業種より立ち遅れている建設業の労働条件や労働福祉の改善のための研修や助成金を支給しています。今年からは、インターネットを利用した求人サイトE仕事探し.comの運営やメルマガのサービスも始めています。

 ハローワークとの相互関係はあるのでしょうか?
またポリテクセンターや、ポリテクカレッジとは関係があるのでしょうか?
ハローワークさんは厚生労働省(高知労働局)の雇用安定局が直轄ですので、機構とは直接、組織的な繋がりはありません。国の雇用施策や能力開発施策においては、常に連携を取って相互に意思疎通を図りつつ事業を展開しています。
 また、機構の実施する能力開発は公共職業訓練ですので、求職者の方々は、ハローワークさんの受講指示が必要となります。
 ポリテクセンターやポリテクカレッジは、前述した通り機構の施設です。そこで教育訓練を受けていただいています。
 今年高知市にも誕生した若者のための「ジョブ・カフェ高知」とも関係はありますか?
ジョブカフェ高知の様子です。気楽に立ち寄れる雰囲気です。
パソコンも置かれ検索出来ます。
 ジョブ・カフェ高知が帯屋町のダイエーショッパーズに出来ました。運営は県で、業務は経営者協会の就業支援機構が委託して行っています。民間のNPOであるキャリア・コンサルタント協会が専門業者に再委託され運営されています。
 ジョブ・カフェ高知には、私ども機構の嘱託職員の方2名を配置し、若者に対して職業相談を行っています。
高知労働局に「職業安定部」という部署があります。直接的な繋がりはあるのでしょうか?
 高知労働局さんは地方の行政組織ですね。職業安定部さんも地方行政組織の一部署となりますので、機構とは直接的な繋がりはありませんが、ハローワークさん同様、日常の業務では常に連携してご協力頂いています。
 ハローワーク、ジョブカフェ、労働局との関係などは理解することができました。お互いに連携されていることがわかりました。
 独立行政法人雇用・能力開発機構と言いますのは、もともと雇用促進事業団という組織が昔あったように記憶していますが。そのあたりはどうなのでしょうか?
 雇用・能力開発機構と申しますのは、2004年3月から独立行政法人になりました。もともとは雇用促進事業団と言うことでして、昭和37年(1962年)に、炭鉱労働者の炭鉱閉山に伴う、新たな職業を探すためのお手伝いすることで誕生しました。
 いろいろ法律が変わりますので、そのつど名前も変わりました。炭鉱の労働者の方だけではなく、普通の離職者、在職者の仕事を続けていくためのサポートなどに事業内容が変わって来ました。
 最近では「独立行政法人雇用・能力開発機構」という名前が長いので、皆さんに覚えてもらい辛い。ということで、ポリテクセンター、ポリテクカレッジという名前を使っております。
 ポリテクの「ポリ」という単語なのですが、皆さんに理解しにくいと思われます。「ポリ」と言うのは、化学の用語でもそうなのですが、「連鎖」や「連携」という意味なのですね。ポリバケツとか、ポリエチレンなどがありますね。同じ意味ですね。
 「連鎖的な技術」を身につけていただこう。ニックネームがポリテクと言う具合に決まりました。技術を順番に繋げていただいて、就職や仕事の場で活用いただきたいと思っています。
ポリエチレンなどを使用した容器や袋はたくさんあります。
ゲストコーナーへ戻るホームへ戻る