ユニバーサルな街の姿とは?
 今週のゲストは、高知市在宅介護支援センターしんぼりで看護士をされています永野みどりさんと、社会福祉士の大塚理江子さんです。今日のテーマは「ユニバーサルな街の姿とは?」でお話を伺います。
 誰にもやさしく、差別なしに生活できる街。最近はユニバーサルデザインによる都市づくりも提唱されています。「地域マップづくり」がその1歩でしょうが、そのあたりの考えはどうなのでしょうか?
現在の都市計画事業は自動車交通最優先になっています。路地やコ ミュニティの効用が忘れられています。車を通すことよりも、ご近所 で「声がけ」して助け合うことが大事なのではないでしょうか。
永野 地域の支えあいマップをこしらえましたときに。幹線道路が出来ることにより地域が分断され、住民同士の交流が疎遠になった。というお話も聞いています。
 道路が出来ることは便利になることです。必ずしもそこに住んでいる人たちが、便利になるというものでもありません。安全に生活に出来ることも考えて、都市計画や道路計画は進めていけばよいのですね。
安心して歩ける歩道は意外に少ないと思います。歩行が一番の「健 康法であると思います。モデルとなる都市はあるのでしょうか?

大塚 これと言ってモデルになる都市の事例は思い浮かびません。
南国市の商店街での車椅子体験の様子
はりまや橋商店街の様子

永野 私もあまりわからんですが。自転車にのっても不自由しない。車椅子に乗っても不自由しない。乳母車をついても怖くない。そんな道があればいいのですが。皆さんが安心できる道があれば皆さん出かけやすくなりますし。
 車も使うけれども、うまくそれが処理されている。両方がうまく使いこなせる街が良い街なのでしょう。ユニバーサルな街の一つになるのかなと思いますね。
 なかなか上手くはいかないようですね。
大塚 そうですね。どちらかと言うことになりますね。今は車がどうしても優先と言うことになりますしね。
 以前お話もしましたが、桜井町のように、県立中央病院があって、道狭く、いつ前を通ってもごちゃごちゃしていました。あれも道が広がりましたら地域の人によりましたら歓迎すべき状況ではなくなるではないでしょうか。
高知市桜井町付近。狭い道は古い住宅外では「コミュニティ」を形成しているようです。
永野 高齢者になりますと歩く速度が遅くなります。広い道路を横断する場合も、歩行者用の信号の長さでは道路を渡りきれないこともあります。交通事故に遭う確立が高くなりますし。

大塚 そう思います。なかなか道路を渡りきるのは、私達若い世代でも厳しいのに、高齢者の方では大変ですね。
 例えば郊外型の大型量販店の店舗などは,バリヤフリーになっています。明るく、広く店舗も清潔です。しかしやかましいし、私などは最近行く事はありません。
 店員の方と会話をしない買い物に最近疲れるようになりました。むしろ「これいくら?」とかお見せの人たちとか顔なじみになり会話をするほうが、楽しいように思うようになりました。はりまや橋商店街の金曜市はそのようになっているのですが。
 
永野 私達も毎週金曜日にはりまや橋商店街で「生き生き100歳体操」を指導しています。体操をした後の商店街での買い物が私達の楽しみになっています。
 参加している人も、今まで外で食事をされたことのなかった人ですが、はりまや橋商店街で体操をするようになってから、外で食べてきたり。一緒に体操される人に声掛けたり。今日はこうしう品物が安いですすと言われたり。そういう掛け合いが凄い楽しいそうです。
 やはり来なかったら皆が心配してくれますね。そのふれあいが大事なのですね。

大塚 
私達もすごくはりまや橋商店街に来るのは楽しみにしています。今日これいくらですか?これ安いですかと聞きます。
 普通スーパーですとみかんを置いていても、これが甘いのかどうかわかりません。なかなか聞けません。
 はりまや橋商店街の金曜市のお店では、聞けますね。「これはすこしすっお愛よ」など気軽に言っていただけます。じゃあ今日は良いわといいますね。私達の若いものでも良いものであると思いますね。
 露店の皆さん方も同じ業種で競合もありますし。コッチの店が良いとか、あちらの店が良いとかもありますね。金曜市の露店も毎週位置がかわっていますし。顔なじみになることは良いことですね。
永野 私達の聞いた話では、日曜市まではなかなか歩いてはいけないけれども、はりまや橋商店街では、そんなに歩かなくても良いので。凄く楽しみにされている方もいます。
日曜市
金曜市
 それがある意味で「ユニバーサルな街の姿」であると思いました。買い物をする時もお店の人と会話があるのも大きな要素であると思います。
大塚 そうだと思います。
 大塚さんのように若い人でも感じられますか?
大塚 普段はスーパーで買い物もします。やはり金曜市で買うのも好きで、良いものです。