ご多忙のなか高知シティFMに収録に来ていただきました。
国家プロジェクトや県政や市政での危機管理についても、よどみなく説明をいただきました。
私は国の仕事のなかで一番苦労したのが「政治改革法案」でした。もともとはリクルート事件がありました。「政治とお金」の問題をもっときちんとしようではないかということで、選挙や政治にお金がかかると言うことを改めようというのが事の発端です。 特に衆議院の選挙では1つの選挙区で数人の議員を選ぶ制度でした。それを小選挙区制にしまして、1つの選挙区で1人の議員を選ぶことにすれば、同じ政党の議員同士で争うことがなくなります。つまり「個人中心の選挙から、政党中心、政策中心の選挙に変えて行く」ことでお金のかからない選挙になるだろうと。そういう発想のなかで「小選挙区比例代表並立制」という制度が考案されました。
当時は世界に前例はありませんでした。小選挙区制度だけ(米国と英国など)や、比例代表制(フランスなど欧州議会)はありましたが、両方を組み合わせることにしました。「民意を反映させ、お金もかけない」という欲張った制度ではありました。日本方式ですね。それが政治改革のメインテーマでした。 その後10年経ちました。本当にお金をかけない選挙になったかと言いますと、過渡期であると思います。また小選挙区制度になりますと基本的には「2大政党」を狙っているわけです。比例代表を組み合わせているので、その他の政党もはいってきます。「緩やかな多党制」になりました。政党の離合集散が繰り返されていますので、政界再編が未だに安定しないという現実があります。 また小選挙区制度ですが、人口が変更しますので、区割りを変更しなければなりあせん。政治家の皆さんには大変です。また重複立候補がありまして、小選挙区で落選しても、比例代表で当選して議員になるという奇妙な制度ですが、現実にはドイツなどでもあります。 これらについても理解は得られていません。私は選挙制度については完璧なものはないと思います。そのつどより良いものとしてリニュアルしていくしかないと思います