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高知県知事選挙候補者比較サイトについて
 
今週のゲストは高知大学理学部4回生の槙野秀俊さんです。お仲間の高知工科大学情報システム工学科4回生の五百蔵慎一さんにも来ていただきました。今日のテーマは「高知県知事選挙候補者比較サイトについて」です。
 昨年11月30日に投票された高知県知事選挙。槙野さんは、両候補者の関連情報をご自身のホームページに掲載しました。関心の高い高知県知事選挙だっただけに、アクセス数もかなりあったと伺っています。
候補者の比較サイトを作成しようという動機はなにだったのですか?
資料を集めることや、サイトの構築で苦労したことはありましたか?
槙野 まず作り始めた動機ですが、「プロジェクトK」などで、橋本知事との接触の機会は多いので、よく橋本さんのことは理解していました。選挙直前になりまして松尾前高知市長が知事選挙に立候補されました。自分なりに比較しようかなと思いましたら、比較する材料がありませんでした。最近若い人の政治への関心が低いと言われています。なかなか選挙事務所へ行く若い人はいないでしょう。ネットだったら見るのではないかというのが思いました。ネットで両候補者を比較することが出来たら良いのにと思ったことがきっかけでした。
資料などは両候補者の選挙事務所へ行かれてチラシなどを入手されたのですか?
槙野 基本的にはそうです。中立性を保つ必要性があると思いました。同じところから入手できるものを基本にしまして集めて行きました。
そのサイトのオープンはいつ頃でしたか?
槙野 本当にばたばたでして、選挙戦の当日(2003年11月13日)でした。そういう意味ではもう少し余裕をみて作れれば良かったと思っています。
新聞やテレビなどのメディアの反応はいかがでしたか?鈍いのではないでしょうか?注目されるべきサイトであると思いますのに、報道されなかった理由は何であると思いますか?
槙野 僕も知る限りはメデァに掲載されたということは聞いてはいないです。選挙が始まってから開設したということがひとつ。僕が橋本さんのほうの活動を手伝っていたことがあって、「あいつは橋本寄りだから」という話が(報道関係者で)あったようには聞いています。
しかし私たち県民は、地元新聞社のインサイダー報道や、「ためにする記事」に高知県民は辟易していたと思います。サイトを見た人達からの反応はいかがでしたでしょうか?
槙野 応援もありました。そうですねアクセス数ですけど、最後のほうになりますと1日800を超えるようになりました。17日間でアクセス数は5000を超えていましたので、そういう意味では反応はあったと思います。
そうですね。yahooにも登録されていましたし、Googleにもyahooにも槙野さんの「高知県知事選挙候補者比較サイト」は最初のページに掲載されていましたし。インターネットの普及率は高知県は高くなく、県外の人が多く見たと思います。それでも注目するサイトになったということですね。
槙野 知り合いのマスコミの人からも「毎日チェックしている」とか、「うちの新聞の記事が載っていない」とかそういうのもありました。記者の方では個人的には応援したいという気持ちは伝わってきました。メディアとして取り上げるのはどうかという話を聞きました。
韓国なんかでは、みんながどんどんホームページを立ち上げて政策論争していました。今の大統領なんかもネットで誕生したようなものですよ。
槙野 本当は選挙管理委員会がすべき仕事だと思いますね。
規制ばかりかけてくるばかりですからね。選挙期間中にサイトは更新してはいけないとか。
槙野 啓発パレードよりも比較サイトをこしらえるべきでしょう。選管は。
ホームページなどを見る年齢の上限は団塊の世代(1947年生まれ)でしょう。それから上はあまり見ないでしょう。それより下の世代は結構見ていたと思います。
政治活動や選挙運動に、ホームページや携帯端末などの活用状況はいかがでしたでしょうか?両陣営を比較して、「アナログ度」「1T度」はどうだったのでしょうか?
槙野 このサイトは中立にこしらえるべきだと思いまして、気をつかいました。しかし圧倒的に松尾さんの方がネット上の情報や、サイトの情報も少なかったです。これは同じネット上のものを掲載していても明らかな差が出てしまいました。そのあたりは実際のアナログのチラシをスキャナーで取り込んでサイトに上げました。そういうところへ気を使い作業をしました。
松尾さんのほうは紙媒体が主体であったということですか?
槙野 そうですね後援会のホームページもありましたが、殆ど更新もされませんでした。
また松尾さんの支援者が勝手に制作したホームページも全くありませんでした。そういう点では橋本陣営に比べると「薄かった」と思います。
橋本知事のほうは、ご自身で書かれた公約をホームページにアップしていましたね。かなり膨大な量でした。そのあたりは量的にも松尾陣営を圧倒していたのではないでしょうか。
槙野 個人のページもそうですね。知事のページと高知市長のページを見ましても、「その差は歴然」です。IT度は知事の圧勝でした。
五百蔵さんにお伺いします。
若者は政治に関心がないと言われています。今回は少し投票率が向上したようです。
槙野さんたちの活動が影響したのではないでしょうか?流れのなかでどう思われたのでしょうか?
五百蔵 槙野も言っていましたが、サイトを公開するのが時期的に遅かったと思いました。もっと早ければもっと大きな影響が出たと思います。若者が政治に無関心と言いますのは今に始まったわけではありません。昔からそうなのではないかと思います。こういう活動を継続すれば、若者の政治への関心度は高まると思います。
投票啓発活動も展開していました。 野中広務さんと
メールのやりとりや、電子掲示板などで、発言はどうでしたか?
2ちゃんねるや高知BBSでもそこそこ発言はあったようですが・・・。
槙野 メールもたくさん送信しました。激励されたり、苦情を言われたりしました。ネット上にもこのサイトをどんどん人に紹介してください。投票率を上げましょう。ということを書きますと、「チェーンメールだからネチケットに反する」とネットの掲示板に書かれたりしました。まあここま有名になることは良いことだろうと、前向きに考えています。
投票1人あたりのコストが何百万ですよ。という啓発する掲示板などへの書き込みは良いことであると思いました。全然チェーンメールなんかではないと思います。
槙野 私もそう思います。選管が多額の経費をかけて街をパレードするよりは遥かに効果があると思います。
比較サイトも実験もありますし。今回きりでなく継続して制作する必要がありますね。
槙野 そうですね。国政レベルでは比較サイト(「正論」という国政レベルの比較サイト。学生が制作し注目されました)を見かけますが、地方政治のレベルでは見かけませんからね。動いている人は少ないようです。これからの課題だと思いますね。
商品でもインターネットで調査して、比較して購入する時代です。政治もそうあるべきであると思います。それを政治のリーダーがどれほど自覚しているかでしょう。
槙野秀俊さん作成の「2003高知県知事選挙候補者比較サイト」は こちら