子供たちから見た高知の社会について
 今週のゲストは、保育士の松尾美絵さんです。今日のテーマは「子供たちから見た高知の社会について」でお話をいただきます。
 職業柄,未来を担う子供たちと接触されてこられました。また保護者の人達とのふれあいもされて来られました。その観点から見られた社会についてコメントを頂きます。
 子供たちの変化についてはいかがでしょうか?少子高齢化社会と言われています。1人っ子が多いのでしょうか?3人以上兄弟がいる家庭は減ったのでしょうか?
 1っ子が多いと言うことではないですよ。2人兄弟と言うのが圧倒的に多いようですね。3人以上の家庭もぽつりぽつりとあります。
 社会全体から見れば、結婚しないと言う人も増えていますので、たとえ結婚して子供を持つとしましても2人までという家庭が多いようです。全体的には少子化傾向にはなってはいます。
 保育所の最大の行事と言えば運動会。それまでに何回も練習したり、保育士も子供たちも一生懸命です。
 保護者の変化について伺います。保育所の送り迎えは母親が主体でししょうが、父親の協力具合はいかがなのでしょうか?お勤めを始められた頃と、最近では保護者の気質に変化がありますか?
 父親の協力と言いますのは地域性といいますか、保育園によっても違いがあると思います。また父親の仕事の状況にもよると思います。
 一概にこうであると言いぎりは出来ません。私が保母になったばかりの頃よりは全体として父親の協力する姿と言うのは増えてきていると思いますね。
 それと感覚的なことですが、わたしが感じるところなんですが、若いお父さん、お母さんは、出来るだけ子供と一緒にいたいというよりも、保育園なり祖父母に長く預けて、その分自分の時間を楽しみたいという傾向があるようですね。子供が一緒に両親と一緒にいたいと言う気持ちを十分受け止められていないのではないかと思います。
 身体の具合が悪くなる。熱が出そうだ。いつもと様子が違う。微妙な変化に気づきにくいお母さんの姿が見られるようです。子供としっかり向かいあっていないと思われるケースも増えて来たようにも思います。
 そういえば、夜中の10時過ぎてもファミリーレストランに子供づれで来ている若い夫婦がたくさんいますね。夜更かしをして朝子供たちが起きれるのか心配ですね。

 保育園の遠足も子供達のお楽しみの一つ。そこで友人たちとのコミュニケーションがより図れます。

 お弁当のおかずの「交換」などから会話がはずんでいることでしょう。

 私たちの子供の頃は9時になれば眠くなりました。朝ごはんを簡単に済ませる子供たちもいます。菓子パンとジュースとか。
 よく今の子供たちが「外遊びをしない」ように言われています。本当なのでしょうか?保育所ではなにか対策をされていますか。
 基本的には子供たちは身体を動かして外で遊ぶことが大好きです。保育園でも天気のいい日は外遊びをします。家庭に帰ってからは,住宅事情やマンション住まいも多いでしょうから、ゲームをしたり、ビデオを見たりになりがちですね。
 遠い昔のことですが、うちの子供たちが保育所に行ったときは時期折迎えに行きました。その折保育士さんから「今日はこうでした」と話しかけられますと安心もしますし、保育園の様子がわかって助かりました。保護者への保育士さんの声かけは若い保育士さんでもされているのでしょうか?
 それは心がけてみんなしていますよ。保育園での子供の姿を話が出来る限り親に伝えています。「今日はこんなこんなことがありました。」「笑ったよ」とか「楽しかったよ」とかいう風に話がありますと嬉しいことです。
 保護者も保育士も両方が子供の成長を喜ぶことですからね。しかし現在は早出、居残りの長時間保育が増えています。直接家庭のご両親と,クラスの担任が顔をあわせれない、合わせる回数が少なくなっていますのがジレンマですね。
 ある保育所の園外活動の様子。芋ほりに行ったようです。子供たちは屋外活動が大好きなようです。
 習い事について。幼い頃からお習い事の効用があるのでしょうか?音楽、習字、学習塾、スポーツ系、芸術系など多様にありますけれども。保育所では習い事はしませんし・・。
 そうですね。保育所では幼稚園のようにカリキュラムを組み設定はしていません。習うとすれば保育園から帰られて保護者の方が連れていかれますね。音楽や芸術は早くから習っていたほうが効果が大きい面もあるでしょう。
 反面子供たちは拘束される時間が多くなりますから、必ずしもすべては良いとはなりません。結局親として何を選択するのかになりますね。
 これをしてほしいというものをとるのか。子供の生活を見ながらさせるのか。結構知的な学習塾がありますが、そういう面については、早めに身についたからと言ってずっと継続するものではありません。学校へ入ったら半年、1年で数字や言葉の差は追いつきます。
 むしろ大事なのは幼児期の社会性や、自分を表現する力であると思います。大人との関わりなど「人間的な情緒面」が豊かさを育てることが根っこにあるように思います。
 今の子供たちも多忙。スポーツ系のお習い事。文科系、芸術系に学習塾。友人たちと語らえるのは、「お習い事会場」になっている傾向もあるようです。