「民間の迎賓館」文化人交流の場であるフクちゃん邸の移設について
 
漫画家界の大御所である横山隆一さんが他界されて2年余りたちました。神奈川県鎌倉市にあるご自宅は、一部はオープンカフェとして、またミニギャラリーとして運営されることとなる予定です。
 「横山邸」は別名「民間の迎賓館」と呼ばれるほど、各界の著名人や文化人が訪れた社交場でもありました。資料により訪問された人達を列挙いたします。(敬称略)
待従長の入江相政、画家の岡本太郎、横尾忠則、書家の手嶋右卿、作家の川端康成、大仏次郎、小林秀雄、永井龍男、田岡典夫、水上勉、城山三郎、司馬遼太郎、音楽家の團伊玖磨、舞踏家の武原はん、映画監督の小津安二郎、小林正樹、女優の芳村真理、小林千登勢、真野響子、男優の佐田啓二、高橋貞二、写真家の篠山紀信、漫画界では手塚治虫、スポーツ界では笠谷幸生、朝潮(高砂親方)、土佐の海らのが訪問しています。
横山隆一邸での花見の様子。平成11年4月18日。狩野信児さん撮影
このまま横山さんの邸宅が取り壊されるのは残念と、横山さんにお世話になった有志が集い、高知へ移設する計画がもちあがりました。
 高知へ移設しようとしていますのは、木造平屋一棟(約82.5u)です。「仕事場」「客室」「居酒屋」の3部屋です。
 「仕事場」は4・5畳の和室で、水墨画や絵手紙、水彩画を仕上げたようです。
 「客室」(和室8畳)では横山夫妻の写真が飾ってあり、飲みつぶれた客を泊める部屋だったようです。
 「居酒屋」(和室11畳)では、「笑龍洞」あるいは「笑龍酒洞」などと呼ばれていました。亡くなる2〜3年前からほとんどこの部屋の大きなテーブルで仕事をしていました。石原慎太郎東京都知事も居酒屋の客になっていました。いろんな人達からいただいた各地の地酒を選んで飲めるようになっていました。
横山邸の見取り図です。 ジオラマもありました。現在は「かるぽーと」の横山隆一記念館に展示されています。

移設計画ですが、県内外の方に開放し、文化施設としての活用を目指していきたいとのことです。
 「横山隆一邸移設推進委員会」をこしらえ、内容を煮詰めていく予定です。

 移設は平成16年1月10日から10日間で解体、搬送に5日かかります。現地での組み建て作業は2月になるでしょう。
 移設にともなう費用は多額の経費がかかると見込まれています。広く県民のご理解、ご支援をいただきたいと思います。募金活動もする予定であると聞いています。

 
かるポートにも展示されています 魚々タワー製作中の横山隆一さん
 
*関連資料・写真はカリノ美工様から提供。許可を得て掲載させていただいています。