移送サービスネットワークと将来構想について
 
今週のゲストはNPO法人自立サポートあきらめないで理事長の森本修作さんです。今日のテーマは「移送サービスネットワークについて」です。森本さんの本業は運送業です。業務の中から新たなサービスを生み出されてのでしょうか?いわゆる「介護タクシー」を開業されるのでしょうか?従来のタクシーとはどのあたりが違うのでしょうか?
介護タクシーとはまた違います。外出の時の「足」代わりにならないかという問題意識で考えました。外出支援という形で、車椅子の方の「足代わり」というスタンスです。

森本さんはホームヘルパーの資格も取得されました。障害者の自立支援のためには移動交通手段の活用が必要だと思います。現在の問題点はどういうところにあると考えられますか?
基本的には「ドアツードア」になるのが理想です。高知市でも低床バスや、低床路面電車も走っています。問題は家から電停、バス停までの移動手段。あるいは電停、バス停から降りて目的地までの移動手段が不足している、考えられていないのではないかと思います。
私たちの発想は「向こう3軒両隣」的でして隣の人が出る場合、気軽に呼びかけができるサービスを考えています。
ということは、自分達の事業体だけで移送ネットワークするのではなく、ご近所の「声がけ」や繋がりを大事にしてネットワークしていくことですね。
そのとうりです。いくらバスや電車が低床化しましても、そこへ移動するまでの道路や、店舗などがバリヤフリーになっていなかれば、障害者や高齢者は移動が大変です。その移動手段をご近所の皆さんとも連携して構築していくのが、私の構想する「移送ネットワークサービス」なのです。
 
「移送サービスのネットワーク」ということなのですが、ネットワークされるというのはどういう部分なのでしょうか? 提携される会社やグループなどはどのようなところがありますか?
お構いない範囲で紹介ください。またそのグループは何時から稼動するのでしょうか?
今後の問題、課題ですね。社会福祉協議会や福祉事業所の所有されている車などを相互利用し「皆さんの足」として確保すれば良いと思います。ボランティアで運転されている人の人件費が出すことが出来ないか。新しい仕組みを構築したいと思っています。
大変な事業をNPOとして展開されています。森本さんとして大きな構想をもたれているように思いますが?
それは財源の確保です。ふれあい農園でも思いましたが、生産者の後継者問題、消費者にとっては安全性への心配。それを現在の市場経済のなかでいますと、価格の変動で左右され、双方の思いが一致できません。
ではその仕組みをどうすればいいのでしょうか?森本さんの話をずっと伺っていますと、バリヤフリーの話も出ます。もっと大きくはノーマライゼーションですね。環境保護もありましたし、スローフードの話もありました。そうなると市場型経済とは別のしくみをこしらえないといけないですね。
農家の方にお話を聞きますと、市場価格で上下しますと生活が安定しません。私たちNPOが間に入って、年間いくらでこの畑を買い上げます。それで有機無農薬野菜を栽培いただく仕組みを確立したいです。農繁期には一般消費者が農家を支援のお手伝いをします。その報酬をお金でなくて、われわれが発行する「エコマネー」で農家がお手伝いの消費者に支払う。われわれが配達したときに、対価をエコマネーを差し引いて対価で支払う。いわば循環型の生協構想を持っています。財源を確保する仕組みづくりを目指しています。

なるほど地域通貨とかエコマネーという概念は、現在の高度に発達した市民社会とは異なりますね。アメリカの地域通過とか、ミハイル・エンデの「劣化する貨幣」とか貨幣を巡回させることにより、地域経済を活性化するという壮大な考え方に繋がってきますね。
全国各地でNPOがすれば、補助金に頼らずとも地域は自立し、またネットワーク化されることで、日本全体が変わっていくのではないかと思います。