マイナスイオンは本当に効果があるのか?

 今日のテーマは「マイナスイオンは本当に効果があるのか?」です。 エアコンや加湿器だけにとどまらず、文房具やアクセサリーにもマイナスイオンを 発生するという商品が数多く出回っています。空気がきれいになる、体の などと紹介されていますが、どのくらい信頼できるものなのでしょうか。 科学について高い関心を持たれているまさしさんにスタジオに来ていただきました。

(1)理科の教科書では、マイナスイオンという言葉は使われていません。「陽  イオン」「陰イオン」という呼び方が一般的です。 新しいことばを作り出し  たのには何か意図があるのでしょうか。

  *マイナスイオン関連の商品の説明を見ると、「マイナスイオン」や「プラス  イオン」自体の説明はせずに、「森林や渓流にはマイナスイオンが多く、工  場や機械のまわりにはプラスイオンが多い。」などと 消費者に一定のイメー  ジを植え付けておいて、健康に悪影響がありそうなものは、ことごとく「プ  ラスイオン」 のせいだと考えるように仕向けている印象があります。 これ  は、始めに不安を与えておいて、解決手段として商品を売ろうとする方法と  似ています。

(2)マイナスイオン商品のカタログやTVの通信販売番組を見ると、「空気を きれいにする」「害虫が寄り付かない」「心身のリラックス」「免疫の強化」 などきわめて多くの効用がうたわれています。

*「きれいな空気で、適当な湿度でないと発生しにくい」「効き目には個人差が  ある」など、 マイナスイオン自体の効果の説明はあいまいにされていること  が多いです。またこれらの商品は医療器具として作られている物ではあり  ません。劇的な効果は期待しないほうが良いでしょう。

(3)TVの通信販売番組で利用者の声が紹介されていましたが、画面の隅に「 これは利用者の感想で、効能をうたったものではない」 という内容の字幕が出 ていました。

*このような情報は経験者の意見のうち、肯定的なものだけを取り出したもので す。意図的に切り取られた 情報ですから、慎重に検討することが望ましいと思 います。 エアコンや加湿器、アクセサリーなどとして売り出せる物ですから、 短期間に顕著な効き目が表れるとは 考えにくいです。

(余談ですが…)僕はマイナスイオンの宣伝の仕方を、水島新司のマンガ「ドカベン(プロ野球編)」の 「ブルースカイフォーク」(注:実際にはそんな球はないのですが、バッターが空振りしたフォークボールを 全て「ブルースカイフォーク」だと触れ込んで相手を混乱させた、というエピソードがあります) に例えることがあるのですが、マンガ読んでない人にはちんぷんかんぷんですね。

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2002年3月1日