グリーンレーザーポインターの世界戦略は?
 今週のゲストは高知豊中技研専務取締役の山中 邦昭さんです。今日のテーマは。「グリーンレーザーポインターの世界戦略は?」でお話を伺います。
 平成2年に創立されました高知豊中技研。本社工場は香北町美良布という風光明媚な地域にあります。世界を睨んだ展開をされています。
基本的な質問で恐縮ですが、グリーンレーザーポインター」とはどういう装置なのでしょうか?
はい。一言で申し上げますと、「プレゼンテーション用のツール(道具)」ということになります。わかりやすく説明いたしますと「、講演会とか、あといろんな説明会などの時に、資料を指し示す従来で言う「差し棒」にレーザーを使用した製品です。」
説明用のプレゼンテーションに、グリーンレーザーポインターは活用されています。大学や研究機関、大企業などで利用されています。
「差し棒」であることは良くわかりました。
グリーンレーザーポインターを購入されるところはどういうどういう業種の人ですか?また企業ですか?おかまいない範囲でご紹介下さい。
   
 そうですね。今まで一番多く購入していただいている業種の方々は、まず大学の先生です。特に医学、工学関係の先生方に多く購入いただいています。後は,最近ですが一部大手企業、上場企業の役員の方とか、役職をもたれている方が、社内のプレゼンテーション用に、外部での講演用などに使用されているようです。
従来レーザーポインターは赤色があったようですが。最近あまり見かけませんが、何か問題があったからなのでしょうか?グリーンになった理由はどういうところだったのでしょうか?
 一番の問題は2001年に経済産業省が「レーザーポインター。携帯用レーザー」に規制をかけました。これの原因は、昔よく200円とか。500円とかで安く赤色のレーザーがいろんなところで販売されていました。
 そういうものを小さなお子さんが購入されたり、遊びで使用したりしていました。お互い子供同士が目に照射させたりしていました。昔野球でそういう問題もありました。
 レーザーポインターのレーザーが目に直接入りますと、場合によっては失明、急激に視力が低下する障害がでました。その障害が全国で何10件か出ました。そこで赤色、緑に限らず2001年にはレーザーポインターが日本国内からいったんは消えました。
 それで赤色のレーザーポインターが消え、高知豊中技研が、グリーンレーザーポンターを開発したということなのでしょうか。
 出力が問題でした。2001年の規制以降は、1ミリワット未満の出力でないと駄目ですよということになりました。従来は5ミリワットぐらいの出力がありました。出力で5分の1以下に落ちています。当然明るさも5分の1以下に落ちます。
 ところが、赤色は人間の目は明るく写らないのです。暗いイメージで写る色です。出力が落ちますと当然見にくくなります。緑色の場合は人間の目が一番明るく見える色ですので、赤色よりは8倍、場合によってはそれ以上の明るさが、出力が同じでもありますので、当然出力が下がったぶんだけ緑色が有利である。
 そういう背景があり、グリーンレーザーポインターを開発したのです。
 グリーンレーザーポンターのカタログを見ますと「色覚バリヤフリー」ということが表記されています。それはどういうことなのでしょうか?
グリーレーザーポインター
携帯性にも優れています。
 赤色よりも緑は「8倍明るい」という話を前半にいたしました。それがひとつの特色です。一番人間のピークに近い色が緑色です。明るく見えると言うことですね。色弱の方にはひじょうに赤色は見づらい色と聞いています。
 当然(規制などで)出力が落ちて暗くなった分、「見にくい」「見えない」という状況になります。ただ緑色はそれとうらはらに色弱の方でも[明るく、はっきりと、見える」ということです。確認できるということです。
もうひとつ「色覚バリヤフリー」と言いますのは、今度「カラーユニバーサルデザイン」という名前を提唱されている東京大学の先生がいらっしゃいます。そちらで今回カラーユニバーサルデザイン認定製品をいただきました。近い将来その認定製品であるというマークなどをつけまして製品を販売する予定です。
同時に「消費生活用製品安全法(PSC)」適合製品とのことですが、それは、消費者に大変安全な製品なのでしょうか?
 そうですね。一番みなさんがわかりやすい「消費生活用品安全法」の製品はベビーベットです。生まれておよそ1年ぐらいはベビーベットで生活します。生まれたばかりの子供を保護しなければいけない。危険なものは駄目だと言う表れだと思います。
 国が一定の基準を設けて、その基準に対してすべての検査項目をクリヤできないと商品として販売できないという厳しいものです。こういう商品を消費生活用安全法製品と言っています。
 今はこのベビーベット。それからもうひとつ[ジェットバス」で子供が吸引側口から髪の毛が吸い込まれて溺死した事故がありました。そういった事故以来、ジェットバスの関係の機器も消費生活製品安全法のなかの特別特定製品のなかに入っています。
 それと同じレベルで、携帯用レーザー、グリーンレーザーポインターも消費生活用製品安全法の特別特定製品に入っています。国の基準をすべてクリアしたものであると言うことです。みなさんに安心してお使いいただける製品だと言えます。
   
 カラーユニバーサルデザインと、国の設けた消費生活用製品安全法適合製品をクリアっしているということは、日本国内ばかりでなく、国際的にも通用する製品だと思います。今後の展開はどのようにお考えなのでしょうか?
 2つの特長というのは世界的に見ても、皆さんに納得いただける安全性の高いものです。今ヨーロッパのほうでは、基本的に出力の制限はあるにはあるらしいですが、ただここまで日本のような厳しい検査項目は設けてはいません。緑色のレーザーは世界にありますが、製品に安全性と品質ではNO1と自負しています。

 後アメリカのほうですが、いまのところ規制はかかっていないようなのですが、やはり日本で起きたような、失明するとか、レーザーが目に入って目に障害がという事故もありました。

ですから将来日本と同じような規制が掛かってくると思います。それを先駆けて、ヨーロッパ市場や、アメリカ市場に販売展開できればと思っています。