OPEN HEARTについて
 今週のゲストはOPEN HEART 代表の宇賀恵子さん,メンバーの松本和子さん山本由圭さんです。今日のテーマは「OPEN HEARTについて」お話しを伺いします。
 「OPEN HEART」は重度重複の障害のある子供たちが豊かな地域生活を送るために必要なことを実現することを目的に設立されました。
 設立はいつされたのでしょうか?
宇賀 平成15年7月4日に設立されました。わたし達の子供たちは、それぞれ養護学校に通っています。障害もそれぞれ異なっています。盲学校の子供さんもいれば、病弱で江ノ口養護学校の子供さんもいます。肢体不自由の養護学校である若草養護学校に通っている子供もいます。それぞれ違う障害を持っている子供たちです。
 問題はそれぞれの養護学校を卒業後の「行き場」がないことです。それをなんとかするために「OPEN HEART」という会を設立させていただきました。
 グループを結成された理由は良くわかりました。「重度重複の障害を持った子供たち」とOPEN HEARTの文面には書かれています。障害の程度もまちまちだということなのでしょうか?重複ということは、障害が重なっている人もいらっしゃるのでしょうか?
 
宇賀 そうです。たとえば肢体不自由と内部疾患があったりとか、脳性マヒの子供さんもいます。医療ケアの必要な子供さんもいます。酸素療法が必要な子供さんもいます。
良く聞く話です。18歳までは養護学校の高等部に在学できますね。養護学校を卒業されたお子様はどうなっているのでしょうか?卒業後のほうが大変だと聞いていますが?
宇賀 そうなんです。重度重複の障害をもつ子供たちの行き場がないのが現実です。それでも何とか、週に1〜2回程度はデイ・サービスに通うことは出来ます。その1〜2日をデイ・サービスに通ったとしましても、後の日をどう過ごしたらいいのか。これから自分達も関わる問題です。
 私の子供も週に1回のディ・サービスに通っています。後の日はすべて私が連れて行っています。それが現状です。そのなかでなんとかしなければならないというお母さん達が立ちあがりました。
 障害によっても異なってきますが、重度重複障害の場合は、痰の吸引等医療的なケアが必要な場合が出てきます。一般のディ・サービスでは受け入れが難しいのが現実です。
 高知県内でも医療的ケアの通園事業をされているところは、南国市と宿毛市にあります。高知市内にはありません。それと作業所にも行けない、重度障害児施設へも行けない子供たちも行き場がありません。障害が重複された子供たちなんです。それをかかえた問題で困っているところなのです。

OPEN HEART は重度重複の障害のある子供たちが豊かな地域生活を送るために必要なことを実現する会として、平成15年7月4日に設立されました。

 

自主運営の、小規模作業所にステップアップさせ、プログラムを充実させます。

日中活動を充実させるために、組織化を考えています。「いまできること」から着実に進めて活きます。

 1日はデイ・サービスで預かってくれるということですが、後は自宅にいるか、ご家族の人が連れて行くしかないのでしょうか?
宇賀 今はヘルパーさんとか、訪問看護とか社会のなかで出来る医療や福祉の機関で少し手助けしていただいています。それが現状です。
デイ・サービスは高齢者対象の施設なのですか?
宇賀 そうです。18歳から60歳までの障害者は、旭の福祉センターのなかでサービスを受けています。何箇所か高知市内にはありますが、数は少ないです。せめてもう1日預かっていただきたいのですが、現状は設備も人も足らないのです。
 10人の障害者に対して、3人の職員で対応されています。自分で移動できる障害者も多い中で、医療ケアを受けなければならない子供たちは、「1対1」でケアしなければなりません。現状はとても難しいのです。障害も中途障害の人もいますし、年齢もまちまちで、細かい対応が出来ないのも現実です。
 若い人にしても、年齢差がありますと、デイ・サービスへ行かれても、溶け込めないとか、面白くないこともありますね。
宇賀 後の日にも出てまいりますが、みんなで見学に行きました横浜市の施設は日中活動ができる施設でした。そういう施設を高知市でもこしらえたいのです。
 以前お話を伺った時に、「高知市の福祉のありかたには限界がある」と聞きました。どういった面で限界があるのでしょうか?
   
宇賀 デイ・サービス一つを取りましても、人数が10人ないしは、15人のところに、職員が3人しかいません。そのなかでケアすることは大変です。デイ。サービスには入浴サービスもあります。同じ職員が入浴とデイサービス両方をされています。見ていて大変だと思いました。
グループを結成されてから変化したことはありますか?
子供たちは変化しましたか?ご自身での変化はいかがですか?
宇賀 親のほうは、今までどこも行き場がないと思っていたけれど、自分達がなんとかしようと目標が出来た時に、希望がもてる様になりました。将来的には明るさが見えてきたような気がします。また障害が違う子供たちが関わることも、それぞれに子供たちもいい面が出てきたように思います。
 親のほうも障害の違った子供たちがいることで、情報が広がりました。視野も広がりました。すごく勉強になっています。
現在OPEN HEARTのメンバーは何人ぐらいになっていますか?
宇賀 26人です。
メンバーを拡大するように働きかけをされていますか。
宇賀 しています。
 
養護学校側の支援は具体的にありますか?
県や市のサポートはどうなっていますか?また連携は?
宇賀 養護学校のほうは、先生が休みのとき見に来ていただいたりしています。それで行政の支援ですが、こちらのほうが相談に行けば、親身になって相談に乗っていただけます。そして4月から日中活動の場所をどこか設置をお願いしていました。
南部の福祉センターを貸していただくことになりました。ただ駐車場がとても少なくて障害を持つ子供たちはとても大変です。利用時間帯だけは駐車場を確保しましょうということになりました。
行政側の支援体制も出来つつあるということですね。
宇賀 まだまだこれからではありますが・・・