こうちコミュニティシネマとは?
 今週のゲストはNPOこうちコミュニティシネマ理事であり、現代企業社デザイン企画室長の大西みちるさんです。今日のテーマは「こうちコミュニティ・シネマとは?」ということでお話をお聞きします。
 「活動を行ってきた文化団体や映画関係者・映画ファンが集い、既存の映画館でもなくシネコンでもない地域に密着した市民映画館(コミュニティシネマ)を作ることを目標に、NPO法人こうちコミュニティシネマ(2005年4月認証)を設立することになりました。」と会の説明には書いてありました。
映画好きの人たちが集まってこしらえられた市民団体なのでしょうか?どのような人たちが集われ、またメンバーは現在何人ぐらなのでしょうか?
 今メンバーは10人ぐらいます。様々な職業の人たちです。例えば広告代理店の人。デザイナーの人。子ども図書館のスタッフの人。元アナウンサーの人。という具合に様々な分野から人が集まっています。 大西みちるさん
「 私たちは、既存の映画館でもなくシネコンでもない地域に密着した「コミュニティシネ マ」で、映画と映画が取り持つさまざまな文化を発信します。」とありますが、具体的なイ メージが今ひとつわかりません。どのような映画上映を目指しているのでしょうか?
 まず簡単に言いますと、大都市とか大手の興業映画館しかかからないような映画が高知にはたくさんあります。そうした映画を上映したいというのが一番です。
 ただ上映するだけでは今までの映画館と変わりません。珍しい作品を上映したぐらいです。それだけではなく、映画文化を根付かせるために子ども達に映画の学習機会を与えるようなセミナーとか、研修とかを行ったり、若手の映像作家を育てるようなイベントなどもやっていきたいと思っています。
 それをすることによって、商店街とか高知の街に根付いた「コミュニティシネマ」、みんなの映画館と呼ばれるようになることをめざして活動をしています。

 大西さんは若いのでご存じないかも知れません。かつて高知は市民による映画上映が盛んな街でした。20年ぐらい前には「高知フィルムマラソン」という映画を市民が上映会を開催、それを取材に当時広島市のタウン誌の記者だった友人が取材に来ていたぐらいでした。その運動とコミュニティシネマとは同じなのでしょうか?
 私たちも自主上映と言いますか、公共ホールで上映をしています。将来は自分たちで映画館を持って上映をしたいと思っています。今はフィルムマラソンと似たような形で、月に1回とか、2ヶ月に1回とかのペースで公共ホールを借りて、自主上映をしています。今の所は同じような活動をしています。
 活動主旨を読みますと高知市の中心市街地に映画館を復活させようと書かれています。
郊外のシネコンではいけないのでしょうか?
 僕も郊外のシネコンにはしょっちゅう行っています。やはり街中から映画館がここ数年で殆どなくなってしまったり、経営者が変わって街中の映画館も「風前の灯火」になりまして危機的な状況です。
 そんな時になんで街中に映画館をつくるのか?とよく言われます。映画を見る人は、子どもとか、お年寄りとか、車のない人たちは映画を見る機会が少なくなります。シネコンまで車で行く人たちはいいのですが、(車に乗れない人達)そうでない人たちにも目を向けまして、街中には映画館が必要です。仕事帰りに気軽に寄れるとか、買い物がてら気軽に寄れる。そういうことを目指していますので、商店街の近くにつくりたいなと思っています。
コミュニティシネマの活動風景。子ども映画教室の様子です。映画上映の仕組みを説明したり、交流会なども開催しています。
 DVDであるとか、大型画面の液晶画面が普及してきます。テレビのデジタル化が始まりま す。BSやCSに対して、映画でなければならない理由はどんなところにあるのでしょうか ?
 やはり劇場で映画を見るという醍醐味は見た人にしかわかりません。最近の若者達はホームシアターなどの普及で劇場で映画を見る機会が少なくなっています。映画文化を根付かせることも目的です。一度映画を見られてその魅力にはまりますと、そういう若い人たちがゆくゆくは映像作家になったり、映画に携わる仕事をしてみたりとか。
 身近に映画館が出来ればいいなと思っています。
 映画を鑑賞するだけではなく、映画のロケ地に高知市をするという運動はされないのでしょ うか?確かカーチェイスはサンフランシスコでしているとか。最近のテレビで見ましたがブエノスアイレスという都市全体が映画のロケ地やCMの撮影地で有名です。都市全体が映画のロケ地して名乗りをあげるのも手ではないのでしょうか?そのあたりはいかがでしょうか?
 僕もそれは賛成です。今年の夏も「まぜ」という映画を岡田監督が夜須のほうで映画を作成していました。映画を誘致して、できれば商店街を活用していただいて、撮影のスタッフや出演者もなども高知の人たちを使っていただきたいですね。そういった街になったらいいなと思っています。
 まちづくりの観点はコミュニティシネマの活動の中にも入っていると思います。
 まちづくりで映画やドラマと言えば、大分県の湯布院や北海道の富良野が有名です。
作家を高知に誘致するとかはされないのでしょうか?
 いずれはしたいなと思います。「高知映画祭」のようなものを企画しまして、自分達の映画館ができたあかつきには、そこを中心にしまして映画フェスティバルのようなものを開催し、映像作家を呼んで、そこでワークショップを開いて・・。そういったことをしたいなと思っています。

 屋外でも映画会を実施されたとも聞きましたけれども・・・。
 今年の6月(2005年6月)に、「星空映画館」という名前でいたしました。たまには外で、アウトドアで映画を楽しもうということで、おびサンロードの帯屋町公園で開催しました。日が落ちた頃に、ビートルズの映画を上映いたしました。

 それは好評だったのではないのでしょうか?
 そうですね。私たちがやる10年まえにも商店街が野外映画界を実施したそうです。そのときもかなり好評でした。若者から年寄りの人たちも沢山来たそうです。今回もそうでした。
 映画館のなかで映画を見ますと静かにして見なければいけませんし、野外ですとお話をしながらのびのびと見ることが出来ますし。とても良かったということで好評でした。
 
大西みちるさんのblog コミュニティシネマ http://jedirock1976.blog.ocn.ne.jp/kccinema/
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