リサイクル事業部の狙いについて
 
 今日のゲストは山中運送リサイクル事業部の盛本哲也さんです。2000年4月に「容器包装・リサイクル法」が施行されました。
リサイクルセンターは、それに十分対応できる施設であると伺っています。
 まず「容器包装リサイクル法とは何なのか?」また事業所や市民はどのような義務を負うのか説明をお願いします。センターの機能や目的についてお話下さい。

 

1)2000年4月から施行されているのですが、「暫定処置」のまま経過しているやに聞きました。それにより、「まっとうな」リサイクル事業をしている事業者が影響を受けているとのこと。
 現在法的に義務が課せられているのは『特定事業所』と呼ばれる大手企業だけであり、高知県内においては機能していないと言えるでしょう。また『まっとうな』と言う表現がありましたが、容リ法に適した事業所という範囲であれば影響どころか『害』そのものです。
 
2)ユーザーの理解は進行していますか?行政の支援などはどうなのでしょうか?
 
 ユーザーの理解は少しずつですが進行しています。しかしそれはコストと切り離した次元であり『企業や経営者としての建前』程度の事です。つまり『やらなければならない』ではなく、『やれたらいい』といういい加減なものです。
 行政の対事業所支援は基本的に皆無です。と言うより支援してもらえなければ出来ないのは環境に対する意識が『建前』だからであって、危機感を持っていれば行政の支援は問題ないのではないでしょうか。
 
3)モデルとなる事業者はありますか?またそこと高知の実情はどうでしょうか?
 
 宮城県にありますが、見学した事はないです。ただほぼ同じシステムを利用している点と業績の点では、目指すと言う意味で意識しています。
 実情については事業所の個体数とその規模が大きく違います、容リ法は個人を対象としておりませんので。ただこれを調査しようとは思いません、営業にとってその数値は言い訳の材料でしかありませんから。
 
高知環境教育支援協議会について
 
今日は「高知環境教育支援協議会」についてお話を伺います。リサイクル事業の傍ら、環境教育に力を入れているとのことです。学校教育との連携も視野にいれているのでしょうか?使い捨て文化全盛の日本社会に「風穴」を開けることができるのでしょうか?
 環境教育の展望と成果について、お話下さい。
 
1)メンバーはどういう方々がいるのでしょうか?業種、年齢構成などはどうですか?
  また具体的な事業はどうなのでしょうか?
 
 業種はリサイクル関連や地質関連等ですが、中にはIT関連の方もいらっしゃいます。
 過去の実績としては、小学4年生の授業での支援が主でした。容器の分別を体験してもらったり、クイズ形式による関心度の向上。車載型破砕機による減容の実演を行って来ました。今年度はHPを作成し活動風景や内容をご紹介し、広く皆さんに知って頂きたいと思っています。
 
2)学校教育との連携はどうですか?また子供たちの反応はどうでしょうか?
  リサイクルセンターの施設はどういう活用されているのでしょうか?
 
 子供達の反応には手応えを感じていますが、まだ根付く段階ではないでしょう。環境保護は持続させる事が先決ですから、まだまだこれからです。
 学校教育との連携については今年度から本格的なアピールになりますが、簡単にはいかないと考えています。どうしても学校側から見れば一つのイベントとしてや、事業所の営利活動として捉われがちです。ただ過去実施させて頂いた学校の協力を得て実績を公開する事で、それらは払拭出来ると考えています。
 施設の見学は児童の移動等の問題から、プログラムの中に取り入れていません。ただ希望があれば作業日程を調整し応じる用意は出来ていますから、口頭にて提案させて頂いています。
 
3)「環境教育支援」を実施した後の地域の環境対策は変化を感じられますか?
  また環境教育支援活動は継続されるのでしょうか?

 
 先ほども述べましたが、変化を感じる段階ではないと思います。ただ実施を希望される学校の地域は基本的に意識が高いですから、更なる向上を感じる事よりむしろ持続していく事で会としての充実感は得られるでしょう。
 この充実感がある限り、また希望される方がいる限り継続していくつもりです。ただ会費制ではなく寄付と寄贈で運営しておりますので、今後の会のあり方と活動次第では正直なところ規模の縮小や解散もありえます。それは会が当初の目的を離れ間違った方向に進むか間違った意識での入会者がいない限りありえません。
 聞かれればこう答えますが、会則制定時以外考えた事はありません。
 
4)学校の先生方との連携はどうでしょうか?また教育委員会、父兄の協力はどうでしょうか?また取り組まれた地域においての「濃淡」はあるのでしょうか?
 
 先生方には支援という立場を理解して頂く事で連携を取っていますし、実施先の父兄からの苦情もありませんので協力して頂いていると捉えています。父兄には参加してくれた児童の、家庭での取り組みに協力して頂きたいと思います。
 教育委員会については現在アピールしていません、協力を訴えるだけの実績が揃ったところです。今後はアピールしていくつもりですが、たらい回しは覚悟しています。
 また色んな環境への取り組みがありますから、実施先での濃淡は確かにありますが気にしていません。実施先や周りの協力ありきで活動するのではなく、『今自分達に出来る事』を考えていく事が会員としての取り組みでありメリットですし、会の中心的な趣旨目的でもあります。
 
5)環境教育支援協議会には、多くの企業の方も参加されています。企業からの提案
 などはありましたか?また同種の団体、NPOなどとの連携などはどうなのでしょうか?
 
 法人個人の会員や協力会社の方々からの提案は多数ありますし、現時点で可能なものについては実現させています。ただ皆さん環境問題を現在だけのものとして捉えず今後未来永劫の問題として捉えていますから、『今後こう出来たら』とか『こんな支援が出来たら』が多いです。もちろん実現に向けてのアプローチが、現在展開されています。
 ただ同種の団体等との連携は現在取っていませんし、今後も具体的には考えていません。というのも、発足当時趣旨目的の違う団体しかないからこそ、この会を発足しようと考えた訳ですし。ただ何らかの形で利用し合う事は、お互いの目的達成の為必要かなとは考えています。
6) 環境保護をヒステリックに叫ぶ人たちはおかしいと思います。「一線を引いている」理由は  どこにありますか?
 
 環境保護を自分の生活にとり入れた生活をするのではなく、自分の生活を環境保護に取り入れるべきだと考えます。例えば高知県の森林の守る為に何が必要でしょうか、再生紙を使う事、牛乳パックをリサイクルする事、そんな事ではありません。今高知県の森林保護に必要な事は、間伐し計画的に広葉樹を植え竹林を整理する事です。
 つまり高知県民として高知県の環境を考えるとすれば、ある程度高知県産の木を消費しバランスを取り戻す事が必要とも言えます。
 この様に自分の環境保護への取り組みが、何処にどう影響を与えているかをまず考える必要があります。

 
7)とくに環境教育について、行政や市民団体と異なる点などがあれば、教えてください。
 

 まず教育する立場にありませんから成果が点数に反映しませんし、今のところ受験科目でもありませんので背負うものがありません。つまり悪く言えば責任がない、よく言えば求められるからこその支援なのです。

 ただ実施において教育機関や市民団体とは違い、法人会員からの事業所特有の情報と資料、物資があります。この情報にはかなりキワドイ内容も含みますが、もしそれに触れなければ答えられない質問が出て来たならば、部外者一固有の情報を除き公開していきます。

 例を挙げれば、スーパー等の回収BOXにトレイや牛乳パックを、洗って整理して投入する事を一般的に『リサイクルしています』とおっしゃる方がいますが、それは間違いであり『処理責任者の行うリサイクルの手伝いをしています』が正しいという事や、洗って開いて整理した牛乳パックであれば買い取ってもらえる場合もありますから、店舗によっては逆に儲かっているかも知れないという情報。これを確かめるのはかなり厳しいですが。


 またマイバッグ運動もそうですが、スーパー等から出るゴミの大半はトレイとラップなのです。本気でゴミを減らし資源の節約を考えるなら、繰り返し使えるタッパー等を用意しレジを通った後全て移し変えて店に置いて来る。これは極論であって運動を批判するつもりは決してありませんが、この様な極論も事業者でなければ子供達に伝えられないのではないでしょうか。

 環境への取り組みに『絶対的な正解』は殆どありませんから、この様な極論も含め色んな情報を自分なりに考え、その中から自分に出来る事を見つけ実行していくしかないでしょう。その情報の一つとして考えれば、異なっているかと思います。