県政の情報公開度は向上しているのか?
 
今週のゲストは高知県知事の橋本大二郎さん、高知県特別職秘書の川竹大輔さん、市民オンブズマン高知代表の窪則光さんです。司会は「けんちゃんのどこでもコミュニティ」担当の西村健一です。今日のテーマは「県政の情報公開度は向上しているのか?」です。
 6月に開催された全国オンブズマン大会では、高知県庁の情報開示度ランキングが低下し、全国34位に低迷していますが・・・・・。
 
橋本知事が誕生当時「官・官接待」の廃止など、ハイピッチで情報公開度がその後進展するかと思いましたが、そうならず、34位と低迷しているのは残念です。
西村
 現在の高知県庁の「情報公開の原則」はどうなっているのでしょうか?
   また、何年後にはすべて公開という原則は確立されていますか?
橋本
橋本大二郎高知県知事
 すべてを公開することはありえません。自分の子供さんがこういう難しい病気を持たれているお母さんが来たとします。その人の名前と病名が出ることはありえませんね。。すべてを公開するなどというのはありえません。
 プライバシーに関わることや、企業などの信義則の問題で、どうしても出せない情報はあります。あとは情報公開はできると思います。そういう方向に進んでいます。
 オンブズマンの人達のマイナス評価は、基準がわからないとコメントのしようがありません。
窪さんコメントはありますか?
そのあたり、非公開のものを私たちが開示請求し、審査会にかけますが、申し立てをしてから審査会までの期間が長いという問題があります。開示を要求するなかで、ひどいのになりますと2年ちかく公開にかかるものもあります。
 数ヶ月前にも県職員による公文書の破棄という大変な問題が起こりました。県職員の間に公文書の大切さがどこまで浸透しているのか疑問に感じています。
橋本
事例があがれば、全体の評価にはつながらないでしょう。新聞記事などで、あれもあった、これもあったという視点から情報公開がどうのではなくて、きちんと全体的な観点から情報公開を見て欲しいと思いますね。
西村
情報公開の原則で、よく例に出ますのはアメリカなんかの例ですね。原則公開されない外交機密文書でも、30年ぐらい経過してから、公文書図書館が公開したりします。「パールハーバーの真相はこうだった」なんてやりますね。情報開示を拒否した部署への「罰則規定」はありますか?正当な理由なしに情報公開 を拒否する部署と管理職員名は公開すべきでしょう。そのあたりは川竹さんはどう思われますか?
川竹ー
川竹大輔高知県特別職秘書
何年か経過してから公開できる情報はあるいかということがありました。企業との信頼関係のなかで、明かせない情報もあります。企業のとの情報は公開できない部分もあります。何10年も経過してから、原則はそうだから公開できないかといえばそうではないと思います。情報公開に関して県庁の部署によって、前向きな部署と、そうではない部署はあります。ひどいようですとオンブズマンのみなさんはわかっていらっいしゃると思います。役所が公表するというよりも、県民の側から採点していただくだくことだろうと思います。
橋本
問題を起こした職員の名前を公表しろというのはその情報開示請求をしていただいたら良いと思います。いくらでも公表できると思います。
職員の名前のこ公表も悪いことではない。私たちは本質的に、県民を知りたい情報を公表していただきたいのです。それが基本です。
橋本
県民がと言われますが、県民とは誰かというのが問題です。全体の公益性から見て県民のためという観点も見ていかねばならないと思います。
西村
たとえば、飲酒運転をした県職員は厳罰処分で懲戒解雇になりますね。
橋本
それは「飲酒運転をした職員はこれから懲戒解雇になりますよ」という約束を県民としたわけですね。飲酒運転の重みと県民との約束でその処分はしています。
西村
公文書を破棄した職員は停職1ヶ月の処分で終わっています。そうであれば、公文書破棄の職員は厳罰にすべきでしょう。
橋本
厳罰と言っても、飲酒運転は人の命に関わります。かつて高知の運送会社が飲酒運転で社会的な問題を引き起こした事故もありました。情報公開と言いますのは、それとまた意味合いが違うと思います。
西村
そのあたりの定義のしかたが、県庁にとっての大事な情報なのか。県民にとっての大事な情報なのか。だれにとっての情報開示なのかの本質的な議論をしなければなりません。
橋本
県庁にとって必要な判断はしていません。さきほど飲酒運転の話をされたので、「飲酒運転と情報公開」は同列にできないと申し上げました。
西村
県民的感情からしますと、飲酒運転は厳罰で、公文書破棄はたいした処分ではないというのは釈然とはしません。
橋本
しかし人の命に関わる交通事故と、情報公開はさまざまな問題がありますね。人の命に関わる問題と全く同列に扱っていのかというのは僕は疑問に思いますね。
西村
そのあたりは窪さんはどう思われますか?
「やみ融資」でも問題でした。一般常識的に県民からすれば事件が起こったから情報公開しても、「時間かせぎ」の情報公開のようなものですね。
 そうなったときはどうかなという疑問があります。 情報公開して、監査請求をかけて、行政訴訟をします。早く資料の中身が見たいのに、開示請求しても答申がでない。時間かせぎとしか思えませんね。
橋本
それは手続き上の問題でしょう。裁判がおきて裁判のなかでの利害関係が生じているとか、そうなれば、そのことを考えなければなりませんね。
市民オンブズマン高知代表窪則光さん
裁判と非開示の手法は全く別の問題ですね。
西村
知事のメールマガジン「つけこまれる隙の源」(7月11日)のなかで、知事は「つけこまれるのは調整型の職員が評価されてきた人事の軸を基本から変えない限り、”圧  力に弱い主体性のない行政”から抜け出せないと感じています」と言われています。
   具体的に人事評価の改革はされましたか?またどういう具体的な対策をされましたか?

http://www.pref.kochi.jp/~hisho/chiji/omoi-no68.html「つけこまれる隙の源」

橋本
初めて人事評価の基準を見ました。対策はしています。評価基準は変わっていません。あいかわらず調整型が評価されていますし、管理主義的な評価基準ですね。来年向けて全面的に改革したいと思っています。
西村
知事であれば県民の投票で選ばれた大統領ですから、あるべき職員の姿、パブリックサーバントとしての職員、県下最大のサービス産業の職員の姿を例示すべきなのではないでしょうか。県民と対話して情報公開をする職員が良い職員だということを人事評価の上でもしないと効果はないと思いますが。
橋本
それは既にやっています。そのなかで1人、2人、3人、4人の問題ある職員がいまね。だから全体が変わっていませんねという評価にはならないと思います。全体の方向として、情報公開を前提として前向きに対処する職員を人事的に評価する基準作りはもう出来ています。
西村
今期は具体的に進展するのでしょうか?
橋本
今の人事評価の方向性は出ています。細かく人事評価の基準は、今でもあいかわらず県庁の内部の組織にとって都合の良いような形、管理的な視点。協調性が県民との視点ではなく、県庁内組織との協調性の視点になっています。それをどう切り替えるのか。きちんと公開して実行したいと思います
西村
知事はそういわれていますが、窪さん実際に県職員の応対は変化がありましたか?
佐川の事件や、高知商銀の事件もありました。100年の高知県庁の歴史のなかで司直の手が2回も入ったというのは大変な問題ではないかと思います。大きな問題が起きても職員の意識の変化は感じません。俺のことではないという意識のように感じますね。
西村
なぜ元祖改革派知事のもとで、不祥事が続出したのでしょうか?
橋本
それは主観の違い出会って僕はそうは思いません。
全体と個人的なこと、とくに公務員は全体で動いています。自己責任は取れるようでとれませんそれが本音です。わたしたちは6〜7年市民運動をしてきました。一応新聞ネタになることがすべて悪いとは申しません。後の対応が同じようなことをくり返しているので高知県庁は反省がないのではないかと思いますね。
橋本
全体の中で心の中に沁みていない職員が相当数いることは認めます。自己責任を問う方向性については、僕も痛感していますので、きちんとやりたいと思います。