「老稚園むえんの舎」を見学させていただきました
 
 室戸市佐喜浜に、通所介護施設が完成しました。この施設は地元で酒販店とコンビニエンスストアを経営されている村田憲典さんの「長年の構想」が実現したものです。
 お話によりますと、9年間お母様を介護されてこられました。そのなかで現在の介護のありかたに疑問を持たれました。施設に改善を要求しても対応しきれないことが多い。
 
 「人間は終末を迎える前に介護状態になります。最も大事にされるべきなのに、現在の介護のありかたはうなってはいない。ならば道は困難だろうが、自分でこしらえてみたい」と村田さんは言われていました。

 私と村田憲典さんは、2001年に高知県行政改革室主催の「県民参加の予算づくり委員会」で知りあいました。私と対照的に温厚で知的な紳士でした。2002年には「社会起業システム研究会」でも同席いたしました。
 その時に私もホームヘルパー2級の資格を取得しましたが、村田さんも程なく資格を取得されました。当初はグループホームを計画されていました。それは将来構想として展開し、「できることから実践」するために通所介護施設ーディサービスをこしらえました。

   
 使用されていない自宅隣の倉庫を聖建築設計事務所山本恭弘氏の設計で、大改造し、「人にやさしい」施設になりました。
 村田さんに施設の内部もも見せていただきました。
 全景です。とても倉庫とは思えない外観です。玄関前のスロープ付近もお洒落にこしらえられています。
 
 

玄関にも座れるスペースがあります。部屋の中は、木が主体に使用されています。

木の空間は一部吹き抜けもあり、広々と感じました。対面キッチンもあります。一部は畳部屋もあります。

 
トイレもバリヤフリーでこしらえられています。
 
 浴室は住環境福祉コーディネーターの笹岡和泉さんの設計だと伺いました。人にやさしい工夫がされているようです。
 
 階段はアンチークな古ダンスを使用しています。物入れと階段を兼ねています。

 

 2階は休憩室になっているようです。

 

 

 2階から下を見たところです。吹き抜け空間と、天井の一部を明り取りにしていますので、部屋は明るいです。元倉庫の筋交いの鉄筋もむき出しにされていますが、からし色に塗装され、とてもお洒落で違和感がありません。
 

 村田さんは「まずうちの母親が第1号のお客です。ご近所の人達も来られてサロンになれば良いと思う。花壇や畑も整備したい。そして将来はグループホームのように隣に建てて、住めるようにしたい。」と遠大な構想を話していただきました。

 ご自身の構想を実現された村田憲典さん。次回は開設後にお訪ねしたいと思いました。
 

 

村田憲典さんの経営するモーマートでは、自家製の弁当が販売されています。写真はかつ弁当。

店舗の裏で調理されていますので、美味しいです。